【社長ブログ】最近の日中関係に思う
なかなか日中関係に好転の兆しが見えません。
昨日、テレビのニュースを見ていたら、金杉憲治・駐中国日本大使が取材を受けていました。話を聞いていると、なかなか厳しい状況に置かれているようです。
外交ですから、人に会ってなんぼの世界です。ところが現在の政治状況では、中国側が面談のきっかけすらなかなか設けてくれないようです。
私も長く中国と付き合ってきましたから、その状況は容易に想像できます。
日本側が何とかアポイントを取って話をしようとしても、なかなか受けてもらえない。簡単に言えば、「動きたくても動けない」という状況ではないでしょうか。
中国に進出している日本企業も、今はできるだけ目立たないように業務を進めているのかもしれません。
尖閣諸島をめぐる問題で日中関係が悪化した当時、私は上海にいました。
そのような状況の中でも、日本総領事館では恒例の天皇誕生日祝賀レセプションが開かれました。中国側の行政関係者も招待されるのですが、その時に出席されたのは、それまでと比べるとかなり役職の低い方々だったことを覚えています。
かつての日中関係は「政冷経熱」と言われていました。政府間の関係は冷えていても、経済交流は盛んだったということです。
ところが近年は、「政冷経冷」とも言われるようになりました。
もちろん、すべてが最近の政治的な対立だけに起因するものではないでしょう。それ以上に、中国における日本企業や日本経済の存在感が、以前ほど大きなものではなくなってきたのだと感じます。
寂しいことではありますが、これも現実として受け止めなければなりません。
冒頭の金杉大使のインタビューの中で、中国に赴任してから「日本が技術的にリードできている部分は、思っていたより少ないのではないか」と認識を改めた、という趣旨の発言がありました。
私は長く日中貿易の現場にいますので、失礼ながら「何をいまさら」という感もあります。しかし、日本国内では、いまだに「中国は日本の技術を追いかけている」というイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。
実際には、中国の産業・技術力はこの数十年で大きく変わりました。もちろん日本が強みを持つ分野もありますが、「日本が上、中国が下」という単純な構図で相手を見る時代では、とうになくなっています。
だからこそ大切なのは、相手を等身大でとらえることです。
良いところは良いと認め、学ぶべきところには敬意を払う。そのうえで、お互いに何ができるのか、どうすれば良い取り組みができるのかを考える。それが、日中貿易に携わるうえで非常に大切なことだと私は考えています。
40年以上前になりますが、私は北京や広州に短期(一か月)、中期(一年)で滞在し、中国語を勉強しました。
現地で生活し、多くの人たちと付き合えたことは、今でも大切な思い出です。
中国という国を、必要以上に美化することも、逆に悪く見ることもなく、できるだけバイアスをかけずに見ることができるようになったのは、あの留学生活のおかげだと自分では思っています。
だからこそ、今のような時代に、若い人たちにはどんどん中国へ行ってもらいたいと思います。
実際に自分の目で見て、中国の良いところも、悪いところも、素直に感じてほしい。
そして、一人でも多く、これからの日中交流を担う人材が育ってほしいと願っています。
政治の世界では、これからも山あり谷ありでしょう。
それでも、人と人との付き合いまで途絶えさせる必要はありません。
最後に頼りになるのは、やはり草の根の交流なのではないでしょうか。
昔も、今も。

写真は、学生時代の1983年ごろ、ウルムチ、トルファンを旅行した時のものです。当時放送されていたNHK「シルクロード」の世界そのものでした。



そのほか、社会人になってから訪れた大連のワカメ養殖場・工場の様子(1999年ごろ)、台湾へ昆布の商談に行った時の写真も。当時は今より15キロほど太っていました。)
最後に、漢詩を一首。
回顧中日貿易
三十多年夢一場
南船北馬旅途忙
日中貿易多風雨
但願兩邦寧日長
中日貿易を回顧する
三十多年 夢一場(ゆめいちじょう)
南船北馬 旅途忙し
日中貿易 風雨多し
但だ願う 両邦の寧日長からん
日本酒文化を中国に広めている弊社のパートナー・華櫻貿易青島有限公司外口社長のブログはこちらからご覧ください!


