【社長ブログ】奥の細道をたどる山形旅 ― さくらんぼマラソンと蕎麦、温泉
日本のマラソンシーズンについて深く考えたことはありませんが、私の感覚では10月から5月まででしょうか。
唯一の例外が、毎年8月最終日曜日に開催される北海道マラソンです。しかし近年は温暖化の影響で北海道でも30℃近くまで気温が上がることがあり、ランナーにはかなり過酷な大会となっています。
そういう意味では6月は少し微妙な季節です。フルマラソンはほとんど開催されませんが、ハーフマラソンは各地で開かれています。その中でも評判の高い「東根さくらんぼマラソン」に参加してきました。

大会は6月7日(日)ですが、少し気合いを入れて金曜日の夜から妻とともに山形入りしました。せっかくなので温泉も満喫しようと、まずは一度も訪れたことのない天童市に2泊しました。
天童といえば全国一の将棋駒の生産地。毎年さまざまな将棋イベントも開催されています。小学生の頃から将棋好きだった私にとって、一度は訪れてみたかった町です。
街の至る所に将棋のモニュメントがあり、お店の看板まで駒の形をしています。将棋ファンにはたまらない町ですが、関心のない人には少し敷居が高く感じられるかもしれません。



街中には「湯のまち天童 あなたの旅に、王手」という看板もありました。将棋ファンの私としては少々注文を付けたくもなりましたが(笑)、それも将棋愛ゆえです。
もちろん温泉は期待を裏切りません。クセの少ないやさしい泉質で、ゆったりと疲れを癒やしてくれました。
昼食は人気店「水車生そば」で名物の板そばを注文。美味しかったものの1,700円は少し観光地価格でしょうか。一方、地元のお客さんはラーメンを注文している方が多く、山形では蕎麦店がラーメンも提供するのが珍しくないようです。山形県はラーメン消費量日本一とも言われていますが、その理由が少し分かった気がしました。

翌朝はレンタサイクルで山寺へ。熊の出没情報もなく安心して出発し、約13kmの道のりでした。
天空の寺として知られる立石寺は、古くから修行の場として名高く、近年は絶景スポットとしても人気です。
しかし何と言っても、この地は松尾芭蕉が
閑さや 岩にしみ入る 蝉の声
と詠んだ場所として知られています。
1,000段を超える石段は決して楽ではありません。私は普段から走っているので比較的平気でしたが、妻や多くの観光客はかなり大変そうでした。それだけに頂上へたどり着いた時の爽快感と達成感は格別で、誰もが神々しい気持ちになれる場所でした。




帰り道には観光農園でさくらんぼ狩り。
地元の方が「これからは佐藤錦ではなく紅秀峰の時代だ」と話していたのが印象的でした。まるで横綱論を聞いているようで微笑ましかったです。
45分2,500円。どの品種も本当に美味しく、大満足でした。
そこで一首。
櫻桃🍒
青田度綠風
夏意滿天童
口福山村有
櫻桃為客紅
青田に緑風わたり
夏意 天童に満ちる
口福は山村に有る
桜桃は客のために紅となる
翌日はいよいよレース本番。
天童から電車でさくらんぼ東根駅へ向かい、シャトルバスで会場へ移動しました。しかし時間には余裕があったものの、バスの運行が滞り、スタート地点の自衛隊駐屯地へ着いて荷物を預けると、スタート2分前。もう少し余裕が欲しかったですね。
コースは上って下るシンプルなレイアウト。
久しぶりに自己ベスト更新を狙い、エイドのさくらんぼにも目もくれず走りました。
沿道の応援はとても温かく、走っていて本当に楽しい大会でした。
結果は1時間47分台。目標には届きませんでしたが、爽快感あふれる良いレースになりました。


レース後は地元名物の麩懐石を堪能。「名物にうまいものなし」という言葉がありますが、これは完全に例外でした。
その後は日帰り温泉へ。天童より少し硫黄の香りが強く、こちらも素晴らしい湯でした。
夜は前の会社の同僚が地元工場の役員として赴任しているので再会し、蕎麦と日本酒を楽しみながら旧交を温めました。
最終日は大石田へ。
まずは前の会社の同僚に勧められた人気店「そばきよ」で昼食です。
板そばも美味しいのですが、おすすめは冷たい肉そば。冷えた出汁の旨味と鶏肉の相性が絶妙で、これまで味わったことのない美味しさでした。

駅から少し距離がありますが、ここでもレンタサイクルを利用しました。

芭蕉が
五月雨をあつめて早し最上川
と詠んだ最上川を眺めながら蕎麦を味わう。
「やっぱり山形はいいなあ」としみじみ感じました。
ちなみに、この句は句会では「早し」ではなく「涼し」だったそうです。
大石田を訪れたもう一つの目的が銀山温泉です。

かつて銀山として栄え、その後は湯治場となったこの温泉街は、近年ではレトロな街並みが人気を集め、外国人観光客も数多く訪れています。
日帰り入浴を受け入れている宿は少ないのですが、6人ほど入れる共同浴場がありました。
30分500円。
炭鉱で働く人々が疲れを癒やしたであろう昔ながらの雰囲気の中、白濁した湯は実に素晴らしいものでした。
一度上がって街を散策し、再び30分入浴。
これで思い残すことはありません。
銀山温泉から空港まではバスで約90分。
乗客は私たちを含め6人ほどでしたが、運転手さんがとても気さくで、終始楽しい話を聞かせてくださり、あっという間の道中でした。
本当にいい旅でした。
後日、かつて山形の工場に赴任していた親戚へお土産を渡しながら「山形はいいところですね」と話すと、
「雪の季節に行ってから、その言葉を言ってください。」
と笑われました。
雪国ならではの苦労はあるのでしょう。それでも今度は雪景色の山形を訪れ、また違った魅力を味わってみたいと思います。
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