【社長ブログ】補助金は誰のため?

私共の日本酒販売のパートナーである青島日本酒中心の外口社長、そして部下の李希望さんは、中国・青島にあるアンテナショップを拠点に、地道な営業活動を続けながら日本酒の販売を進めています。

ジェトロ主催、国税庁がアレンジする商談会にも、できるだけ弊社の代理として参加していただいておりますが、なかなか販売伸長にはつながりません。

国税庁は輸出促進にも力を入れており、海外展開支援枠として、経費の2分の1、上限1,000万円の補助金を支給しています。

ただし、補助金は「補助金ありき」で使うものではありません。あくまで、自分たちがすでに行っている事業やプロジェクトを前に進めるためのサポートであるべきです。

この補助金は年に大体2〜3回の公募があり、私も中国での販促を目的に計画書を提出しておりますが、毎回採択されません。

採択か否かは、国税庁の担当者から電話で結果を告げられます。採択の場合は伝えやすいのでしょうが、私のように不採択の場合、担当者も大変だろうなあと、かえってこちらが気を使ってしまいます(笑)。

不採択の主な理由としては、「アイデアが斬新でない」「計画実行にあたって財務状況はどうなのか」といった点が挙げられます。

しかし、私たちが求めているのは、斬新で格好いい計画への支援ではありません。いま中国で行っている地道な営業を、さらに活性化するためのサポートです。そのため、どうしても派手な計画にはなりません。

また、すでに事業として継続しているわけですから、財務面の懸念についても、本質的な問題ではないように感じます。

国税庁のホームページでは、採択者の計画や実施事例などを閲覧することができます。一部には「補助金ありきではないか」と感じる内容もありますが、ほとんどの方が有効に活用していることもよくわかります。

この補助金事業自体は、一定程度機能していると思います。

一方で、「誰のための補助金なのか」と疑問を感じる補助金事業もあります。

弊社も採択された、IT導入補助金です。所管省庁は経済産業省・中小企業庁です。

弊社は会計システムのマネーフォワードを導入しようと考え、せっかくなら補助金を受けようと思い、応募しました。

この補助金の特色は、IT導入支援事業者を通じて導入を行う点にあります。つまり、導入しようとする会社はITリテラシーが必ずしも高くないため、専門家がサポートする、という趣旨のようです。

弊社の支援事業者はW社でした。

しかし、見積もりの段階から疑問がありました。全体費用は43万円。そのうちマネーフォワード本体は2年で17万円、残りの26万円は支援事業者のサポート費用とのことでした。

国からの補助は26万円です。単純に考えれば、マネーフォワードに直接申し込んだ方がよかったのではないかとも思いました。ただ、補助金の実態を知りたいという好奇心もあり、キャンセルはしませんでした。途中でキャンセルすると、キャンセル料が発生するという説明もあったように記憶しています。

昨年9月頃に採択が決まり、まず支援事業者から全額43万円の送金を求められました。支払期限もきっちり決められ、どこか追い立てられるような印象を受けました。

実際に進めてみると、問題は少なくありませんでした。

・全体を通じて、補助事業者であるW社とのやり取りが非常にスムーズではなかった。
・採択後の進捗共有、レクチャー終了後の手続き案内、最終的な着金に至るまで、連絡が遅く、こちらから確認しなければ状況がわからないことが多かった。
・何に時間がかかっているのか、十分な説明がなかった。
・必要な担当者がメールのCCに入っていないことがあり、こちらから依頼しなければならなかった。
・会計ソフト導入に必要なデータについて、最初に十分な説明や確認がなく、結果として弊社では出力できないデータに関する作業分を見積もりから差し引くことになった。
・返金対応にも時間がかかり、余計な確認作業と時間的ロスが発生した。
・最終的な報告資料に誤記があったにもかかわらず、支援事業者がチェック機関として十分に機能しておらず、結果としてIT事務局と何度もやり取りすることになった。
・レクチャー5回のうち、2回は事業者都合でリスケジュールとなった。
・レクチャーの内容は基本的なもので、資料も基礎的な内容にとどまっていた。これに高額なサポート費用を支払う価値があったのか、疑問が残った。

このようにいろいろありましたが、ようやく26万円の補助金が入金されたのは、今年4月でした。

中小企業には資金繰りに苦しい会社も多くあります。その中で、この事務手続きのスピード感は、正直おかしいと感じました。

あまりにいろいろな問題があったため、意見書をレポートの形でまとめ、経済産業省に提出しようと事務局に電話しました。しかし、そのような窓口はない、という回答でした。

国が補助金を支給すること自体は、悪いことではないと思います。むしろ、うまく機能すれば、中小企業にとって大きな支えになります。

ただし、本当に事業者のためになっているのか。それとも、制度にぶら下がる支援業者のための仕組みになっていないか。

そこは、きちんと検証していただきたいと思います。

日本酒の海外展開については、自分たちの事業が続いている限り、そして国税庁が募集を続ける限り、応募していこうと思います。

本田宗一郎さんの「勝つまでやり続ける」という精神に見習い、採択されるまで出し続けようかな、とも思っています(笑)。


日本酒文化を中国に広めている弊社のパートナー・華櫻貿易青島有限公司外口社長のブログはこちらからご覧ください!

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