【社長ブログ】日本酒の中国輸出
先月中旬、青島に着いた日本酒ですが、いまだ通関がきれておりません。
先回の青島向けは酒蔵さんが1つでしたので、私の用意した書類がミスもなく何の支障なく通関が切れたのですが、今回は都合7つの酒蔵さんのお酒を積んでいるので、用意する書類が単純に7倍になるわけですが、つっこめば、それはいろいろ出てきます。
長くなりますが、参考までにあとで国税庁がまとめた留意点を掲載しておきます。
あまり政治、政治と言いたくないのですが、書類のチェックが重箱の隅をつつくような執拗さです。特に中国の税関登録画面と日本の国税庁が出す「原産地証明書」とは、一字のミスも許さないぞ、という強硬な態度を感じます。たとえば住所で築地2丁目を中国の税関登録上では「2CHOU」日本の産地証明書では「2CHO」。Uが入るか入らないかもチェックします。自分で作成する書類なら、すぐ打ち直せばいいのですが、原産地証明書は国税庁に再度、修正を依頼しなければなりません。国税庁もできるだけ早い対応をしてくれますが、中国からオリジナルの書類を求められるので、それだけで少なくても10日間くらいは時間が経過してしまいます。
日中関係の現在のぎこちなさを反映している気がおきるのは、私だけではないでしょう。
40年近く日中貿易に従事していますが、いまは現場の裁量が本当にありません。
以前は裁量だらけ、でしたが(笑)。今では「なんでも上に“請示”(伺いをたてる)する」
しかし、課長レベルでも決める、許可を出すことができない、なんのアクションが取られないうちに時間だけが経過してしまう。。。
商品そのものに不当表示がある、認可していない添加物が使われている、とかいうのであれば、通関が切れない、シップバックは当然ですが、証明書の住所の表記の不一致を理由にして何日も商品を倉庫、ヤードに留め置くのはどうなのでしょうか。
日中関係は政治の面でぎこちない時はありますが、貿易は途切れることなく脈々と続いてきました。こんな時だからこそ、速度ある通関処理を行政には切に望みます。
写真は今回船積みしたお酒の中国版パンフレットです。(一部)
身内を褒めるのは気が引けますが、輸入者の外口社長、さすがに中国文学を学んだ方だけに美しい漢字を使い商品説明をしています。
早く中国の方に味わっていただきたいです。
(国税庁のお知らせより)
中国向けに酒類の輸出を行うには、中国の「輸入食品海外製造企業管理システム」、通称シングルウインドウへの登録が義務付けられているところですが、昨今、シングルウインドウに登録している住所などの内容と国税局所が発行する原産地証明書の記載内容が、完全に一致しない場合に、通関できないケースが多発しています。
例えば、アルファベットの大文字・小文字等の違いで通関できないというケースも報告されています。
また、最近、報告がありましたのが、原産地証明書では英語表記になるところ、シングルウインドウ上で、住所が中国語表記で登録されていたために通関できないというものです。現地税関の担当職員から具体的な指示(中国語表記と英語表記の併記など)を得られた場合には、それに従うことにより通関できたという例もありますが、最終的に通関できなかったケースもあります。
これらを踏まえ、皆様におかれては、今一度、シングルウインドウの登録内容をご覧いただき、原産地証明へ記載する内容と完全一致しているかのご確認や、一致していない場合は、シングルウインドウの登録内容の修正をご検討ください。
特に、国税庁において確認したところ、シングルウインドウにおける企業名や住所が英語以外で登録されている者は、全体の約15%程度となっておりました。登録が英語以外の言語でなされた場合は通関できない可能性が高いため、修正をご検討ください。
なお、製造施設住所等を変更する場合は、新規登録が必要となり、その場合、製品に表示する登録番号が変更となりますこと、また中国当局による新規アカウントの承認に一定の期間を要しますことをご留意願います。
シングルウインドウの登録等に関する詳細は、「中華人民共和国の輸入食品海外製造企業登録管理システム登録手順」(国税庁HP、以下URL)をご覧ください。
【掲載URL】
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/yushutsu/pdf/0022003-058.pdf
≪注意事項≫
●「Address of manufacturing facility」(生産施設住所)及び 「Legal representative – name」(法定代表者氏名)は変更することができません。これらの項目を修正する場合は新しくアカウントを作成し、新規登録する必要があります。
●上記によりアカウントを新規登録する際、「Registration Number」(登録番号)に識別可能な番号(法人番号、営業許可証番号等)を入力する必要がありますが、現在の登録に使用されている番号と同一の番号は使用できませんので、現在の登録とは異なる種類の番号を入力してください。
※上記によりアカウントの新規登録を行う場合、次の点にもご留意ください。
・新規登録を行うと、シングルウィンドウの「登録番号」が変わります。これに伴い、製品等に表示する「登録番号」も変更が必要となります。
・新規登録が完了した際は、自動的に旧アカウントが失効されることとなっています。しばらく経っても削除されないようでしたら、輸出業者等を通じて中国海関総署へご確認ください。
国税庁としては、引き続き、外務省・農林水産省等と連携し、中国当局に対して、過剰な通関の厳格化をやめるよう求めてまいります。
国税局所においては、輸出証明書の円滑な発行に努めておりますので、皆様方のご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。また、原産地証明書の内容が原因で通関できない等お困りのことがございましたら、所轄の国税局所までお問合せください。
日本酒文化を中国に広めている弊社のパートナー・華櫻貿易青島有限公司外口社長のブログはこちらからご覧ください!